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プールの事故で思うこと その3

昨日は事故の原因についてプロによる管理がされていない点についてエレベーター事故と同じ効率最優先の風潮が根底にあるのではないかと考察しましたが、本日見つけたblogに回転ドアの事故の教訓が生かされていないと指摘されている点を設計の観点から考察してみたいと思います。

まず、回転ドアの事故の教訓とは先のblogでは特定はしていませんが東京港区の六本木ヒルズ森タワーの自動回転ドアーで当時6歳の男児が頭部をドアの回転体に挟まれて死亡した事故のことだと思います。

ドアーは海外のメーカーの開発した技術を買った日本のメーカーが設置したものでした。オリジナルのものは回転体が軽量でセンサーが働いたり異物に当たれば直ぐに止まるものだったのが日本の顧客向けに改良していく段階で重たく強力な動力で動かすものになっていったためセンサーが働いても直ぐには止まらず、異物に当たっても巨大なプレス機のごとく異物を押しつぶす化け物になっていた。その結果として尊い命が失われました。

この事故の教訓は、人が通過する場所に設けるものとして人にぶつかったら直ぐに止まるような軽量で弱い動力でも動く構造が安全確保のための設計条件だったはずなのに、この設計条件が何時の間にか忘れられてしまっていたというものでした。

今回のプール事故に当てはめると、安全確保の基本条件は人を吸い込まないようにすること。

吸い込まないようにするには、

1、吸い込まないような弱い力で吸う。

2、吸い込むような強い力が生じている場所には立ち入らせない。

3、吸い込み始めたら即座に吸い込む力を消滅させる。

この3つのアプローチが考えられます。

1は流水プールの楽しみである水流を発生させるためにはどうしてもこれ以上弱く出来ない限界が有るため現実的ではない。

2は愛知県のプール条例などで排水口にはボルト等で固定された格子を二重に設けるとされた規定などにみられる一般的な方法で現在行われている唯一の安全対策。

3は吸水口に人や異物が吸い込まれそうになると配管の一部がふさがれて配管内の圧力が変化するのを圧力スイッチでひろって起流ポンプを停止させるなどの方法が考えられますが、条例などで義務付けているところは今のところ無いようです。

シーズンの始めに二重の格子が安全確保の唯一の対策であったという点を認識していない人が点検をし不具合を見逃していたという構図はまさに回転扉の事故の教訓、本質的な安全対策は何であるかを忘れてはいけないという事が活かされていなかったということになります。

と、書いている途中で名古屋市の志段味スポーツランドのプールで設計図にはあるはずの内側の柵が無いことが判明したというニュースが入ってきました。

これ以上の犠牲者を出さないためにも徹底した安全点検をしてもらいたいものです。

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